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ストーカーはハグとナデナデが好きらしい。
僕を捕獲しながら、少し遠くでふたりを見ていた美桜を手招きし、ふたり同時に、ギュッとした。
『響(ひびき)、今優ハ』
「……ああ」
額をゴチッと合わせられて、ドキッとする。
「?」
「確かに熱がある。薬持ってくるから、ここにいて」
ストーカーは僕にとって、命の恩人で、お母さんみたいで、お兄さんみたいで……。
(ストーカーが女の子だったらなぁ)
ふと、そんなことを考え、ナイナイと首を振った。
『優』
「……?」
いつの間にか、ぐっと僕を見上げていた美桜は、僕の目を穴が空くほど見て、ため息をついた。
『コレ、アゲル』
美桜がくれたのは、美桜がいつも首に下げている、ロケットつきのネックレスだった。
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