第一章 人知れず咲く花

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 倉田は外に出たメンバーの事も、文字で記録してゆく。桜本は瀬谷の部屋に到着し、まず仕事よりも先に、キスを始めていた。桜本は、瀬谷の行為を数字で表現していて、今のところ二百点台とかなり点数が低い。満点は千点で、今のところ出た事が無いようだ。  瀬谷は桜本を抱えると、風呂場へと運んでいた。  桜本は、生きている時には美人の妻と子供がいた。死保に来てから、男との関係を覚えたようだが、瀬谷がのめり込む程に性技が凄い。死保では、生前の身体を維持するだけと聞いているが、技術としては会得できるのかもしれない。  瀬谷は風呂場で、ゆっくりとキスをすると、桜本の全身を丁寧に舐めていた。桜本は、自分の尻を慣らそうと、ゆっくりと指を挿入し拡げ始めた。その指に、瀬谷の指も足されると、桜本は呻き声を上げながらも、微かに喘いでいた。  桜本は、微かな喘ぎの間にも点数を言っていて、その点数に瀬谷が反応していた。 「三百二十点、二百五十点……」  瀬谷は頭でっかちの面があって、知識は凄いが実践がついてゆかない。だが、瀬谷にもプライドがあるのか、常に高得点を狙っていた。 「……高得点になりたいです」 「頑張ってね……」  桜本はヨガをしていて、自在に筋肉を動かす技術を身に着けたという。さらに、腹筋などを連動させて、腸を締め付けたり、緩めたりすることができるらしい。 「桜本さんの、この皺壁が、唇みたいに動いて……夢にまで見るのです」  瀬谷は指を抜くと、桜本の尻にキスしていた。そのキスは、だんだんと深くなり、桜本の中に入り込んだ。桜本は、喘ぎながらも、腰を振って瀬谷を払おうとしていた。 「惚れた方が負けと言いますが……この負けの嬉しい事……」  桜本は、普段の雰囲気は教師という堅さがあるのだが、瀬谷を相手にすると、激しく崩れる。このギャップも、瀬谷にはたまらないのだろう。更に、桜本には家族があった過去があり、すんなりと男を受け入れない。  桜本のその逃げる姿が、焦らされているようで、瀬谷が燃え上がってしまうのだ。 「瀬谷さんのここは、締まっていて形が崩れていませんね……とても、可愛い……」  瀬谷はじっとりと桜本の奥を舐めあげていて、桜本が痙攣したように震えた。 「……桜本さんのここ、震えていて可愛いですね……でも、もっと奥が熱くなるまで……我慢してください」 「瀬谷……焦らさないで……入れて」
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