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58週間前.どこから思い出そうか
待ちに待ったこの日が来た。
2019年3月15日、午前10時20分。
卒業式。
「続いて、卒業生代表の言葉を、廣田汐留さん。お願いします。」
さようならみんな。
大嫌いでした。
ーーーきっかけは、本当に偶然だった。
「ねえ汐留ちゃんてさ、西田先輩と付き合ってるって本当?」
高校二年生の12月、学校帰りの電車の中で高校部のモテ女こと大佐和はるかが話しかけてきた。
「いやあ、中高部と高等部って学校内じゃ中々会わないし、聞けなかったんだよね。
一ヶ月前からでしょ?どっちからなの?キスは?」
私たちが通っている学校は中高一貫の私立高校で、私は中高部、彼女は高校から入って来た高等部だった。
たいして私と仲良くもないのにいきなりなんなんだ。
自分がたくさんの先輩と仲がいいからって。
今思えば、彼女が話しかけてきたのは、彼女が高1の時に西田のことがすきだったからだろう。
そんな事を知らなかった、この時の私はおろかだった。
彼女と話すのは、とても楽しかったのだ。
夜11時のライン通話で大好きな彼氏、西田弘毅は語る。
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