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「酢豚の材料を買って帰ろうか?」
人形の中にある霊も分からないのに、松下の家で寛いでいられないだろう。
でも、五人町に行くには車が必要であった。
久住に電話をしようとすると、松下が携帯電話を掴んでいた。
「私が、帰りに寄って貰うように頼むよ。だから、それまで、部屋においで」
松下が寂しそうな顔をするので、俺も反論できない。
「……分かりました。肉は食べたくないので、魚料理にしましょう」
魚と思ったが、俺はエビが好きなので、エビ料理にしておこう。
「明海、何が食べたい?」
『やっと気付いて貰えて嬉しいけどさ、どうして、市来は俺を掴んで車を降りる
のかな……俺は市来のお守りではないよ』
つい、明海を抱えてしまったのだ。
明海がぶつぶつと文句を言っているが、無視しておこう。
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