第十三章 残酷な神とやさしいボク 三

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「エビマヨと、エビシュウマイにしておこうかな……」 「では、エビを買ってくるよ」  食材は俺が金を出す事にしているので、明海を松下に渡すと、スーパーに入った。 材料をあれこれ買っていると、隣に背筋をピンと伸ばして、絵に描いたような 笑顔をしている男がいた。 男は綺麗な顔だが、全てが嘘のように見える。 「菩薩様に忠告しようかな。犯罪は人が造るものではなく、そこに在るものだよ。 人を捕まえても。犯罪が無くなるわけではない」  この男は、前に電車で会っていた。 俺は、缶詰に手を伸ばしてから、男の方を見た。
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