第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

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「生きたい人を残すには、死ななければならない人もいる。殺人が罪だというのは、 動物のなかでは人だけだ。それが誤りだったのだろうね」  黒羽は、正しい世界になるように、少しだけ協力しているという。 「僕は死んだ後の事など考えた事もなかった……でも、世界中の人間を成仏させて しまおうとした者が過去にいると聞いて歓喜したよ……」  黒羽は、殺された前回の菩薩の話しを聞き、歓喜したと共に落胆した。 「菩薩を殺したい。でも、もう死んでいると聞いて、僕も生きていられない程に 落胆したよ……でも、見つけた」 「俺を殺したいの?」  俺が消滅すれば、新悟が助かるというのならば、俺は消滅を選ぶ。 新悟は、巻き添えで死んでいい人間ではなかった。
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