第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

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「エビ尽くしだね。楽しみだね」  松下は、スーパーで俺を待ちながら、明海と木積の心配をしていた。 「この事件は、繋がっているでしょう?鈴木は人を食べていた。何故、食べ始めた のかがとても気になる」  普通、人間を食べようとは思わないだろう。 「鈴木は、最後に菅原さんと食事をして、菅原さんを食事にして満足していた」  ココロもそうだったが、鈴木も人を殺す事に、罪の意識がなく正義であった。 「菅原さんは妹の失踪の謎を追っていて、鈴木に食べられてしまった事を知った。 そして、自分も同じ死に方をする事を望んだ」   菅原は最愛の妹を失ってしまった事を、悔やんで自分を責めていた。 何のために警察に入ったのかといえば、菅原の場合は、妹の生きる世界を守る事 だったのだろう。
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