第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

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 黒い羽募金は、そのまま失踪させるというコースもあり、他と比べると安価になっていた。 その失踪者は、鈴木の所に運ばれ解体処理されコンパクトにまとめられた。  失踪者は老人で、介護が必要な人ばかりであった。 だから、ココロは家族を介護から解放するために、正しい事をしていると信じていた。  鈴木は自分の食事レポートのために、様々な人を誘いこんで食べていたが、 骨などの処理に困っていた。 そこで、黒い羽募金と協力関係になった。 「この鈴木の荷物を運んでいたのは、広井さんと関係のある、仙石さんの会社だった」  仙石は運送会社を経営していて、倉庫に置かれた鈴木の荷物の運搬を引き受けていた。 その荷物は、港に運ばれ沖合に投棄された。
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