第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

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「木積さんは、久住さんを愛しているのでしょうか?」  窓の外に飛行機が見えて、俺は望遠鏡を探してしまった。 すると、松下が最新のものを購入していて、そっと渡してくれた。 飛行機を見送ってから、俺はじっと望遠鏡を見た。  かなり高価な望遠鏡だが、これは俺以外に使う人がいないのではないのか。 「……松下さん……」 「私も、最近、望遠鏡を見るのが楽しくてね……」  望遠鏡を見るのか。 望遠鏡で見るのではないらしい。  俺は望遠鏡で、飛行機を追いかけてから、カメラ機能も付いている事に気が付いた。 カメラで他のビルを撮影してみると、犯罪レベルのものが撮れていた。
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