第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

19/26
前へ
/675ページ
次へ
「木積さんは、久住さんを抱いて、初めて満足したのかもしれないよ」  ココロとの時を見ても、木積は満足していなかった。 ココロも、満足どころか、瀕死になっていたような気もする。 「俺は、関わった全ての人に、幸せになってしいと願っていますよ」  久住もそうだが、木積にも幸せになって欲しいと思っていた。 でも、久住は木積から距離を置こうとしていて、それは、木積の激しい夜の営みを 知っているのでよく分かる。 あれを続けられていたら、体が持たないだろう。  でも、木積が久住に執着する気持ちも少し分かった。 木積は、久住以上の相手に出合っていないのだ。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加