第十四章 残酷な神とやさしいボク 四

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 まず、木積が向かった木村の事務所には、黒い羽募金の客がクレームをつけに来ていた。 それは、事故死で依頼したのに、病死になった事を不服としたものであった。 クレームでも、黒い羽募金の場合は、表向きは募金で仕事の依頼ではなかった。 募金をして、こうなって欲しいという願望を告げたということになっている。 でも、料金制になっているので、木村は返金すると言った。  しかし、客は貰う予定だった保険金分を支払えと迫っていた。  この手違いは、黒い羽募金のバイトがしでかしてしまったもので、 どんな死に方でも医者の診断書が事故死ならばいいと、安易に思ってしまったかららしい。 保険金の場合は、保険会社も独自の調査を行っていて、今回は事故死ではないと判断された。
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