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相手が体をくっつけてきたら、肩を入れて押し返す。距離が少しでも空いたら、左右の拳で打ち捲くる。ブロックの上だろうが、お構いなしだ。最初の一分間は、こんな感じの攻防が続いた。
一分半くらい経過しただろうか、相手は戦法を変えてきた。手数が減ってきた。左ジャブを連打しながら、やたらと距離を取り、リングを広く使っている。
アウトボクシングに切り替えた。
俺は、右手で左ジャブの連打を弾きながら、左ジャブを単発で打ち返して、距離を詰めようとするが、中々詰まらない。フットワークを巧みに使っている。
追いかけて距離を詰めようとする度、左ジャブの連打を喰らっているような感じだ。
それなら!
俺は両手で顔面のガードを固め、上体を左右に振りながら体勢を低くして、相手の懐の中に飛び込んだ!
下がりながらの左、右、左の三連打を喰らいはしたが、左右のアッパーをボディーに叩き込み、左フックをテンプルに打ち込んだ。相手も負けずに、左アッパーと右ストレートを打ち返してくる。左アッパーは右肘でブロックしたが、右ストレートは顔面に喰らってしまった。
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