告白

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告白

 俺は約束通り、大きなバッグを二つ抱えて、優に書いてもらった地図を頼りに、優の部屋へと向かう。少々分かりづらかったけど、優の住んで居るアパートに何とか辿り着いた。  それにしても、ぼろいアパートだ。三十年くらい前に建てられたのではないかと、思うくらいの建物だ。壁の色はくすんでいて、元の色が分からないし、屋根の瓦なんて、今にも落ちてきそうな雰囲気だ。しかも、階段の手摺りは錆びていて、あっちこっちのペンキが捲れ上がり、剥げかかっている。  本当に優はここに住んで居るのか?とても、若い女性が住んでいるとは、思えない外見をしているアパートだ。  何故、こんな所に?家賃が安いからかな。分からない。 「勇くーん」  下を向いて考えていた時に響いた、優の明るい俺を呼ぶ声。優の声に反応して、頭を上げる。 優が部屋から出てきて、笑顔を浮かべながら、小走りで近づいて来る。 「ごめんね。途中まで迎えに行こうと思ったんだけど、行けなくて。けど、その地図でよくここまで来られたね」 「何とかなったよ。けど、その地図でって、優が書いた地図じゃなかったっけ」 「あっ、そうだよね」  照れ笑いを浮かべる優。     
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