二人だけの時間

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二人だけの時間

 俺と優の二人の生活が始まったが、お互いの仕事の時間が、重なり合う事がないため、二人で一緒にいる事が出来る時間が本当に少ない。朝早く優が仕事に行き、夕方頃帰ってくる。そして、俺が夕方頃仕事に向かい、朝に帰ってくる。  二人で、部屋を入れ替わって利用しているような感じだ。それでも、俺達は二人が一緒にいることが出来る、少ない時間を大切にした。  俺はいつものように、正午近くに起き上がる。優が準備してくれた食事を食べ、トレーニングに励み、仕事に向う。俺の新しい生活のリズムだ。電車の乗り方もいくつかのパターンを覚えた。と言うか、優が教えてくれた。  全ての面で、優の世話になる訳には行かない。俺は、今日も仕事に精を出す。とにかくより多くの客を捌く。女の子達から文句が出るくらいの数を。既に今日は、十五人の客を捌いて、五十万円は稼いでいる。後、五、六人は捌きたい。稼げる時に稼ぐ。でないと、稼げない時は、全く稼ぐことの出来ない日がある。とにかく、今日は稼ぎ時だ。頑張るしかない。     
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