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「えっ……?」
思い切って駆け上がった先、職員はいなかった。職員どころか人一人、動物一匹いない。
それどころか、このフロアまで廃れていた。廊下以上に酷い有様だ。
まるで、施設全体が機能していないかのような――。
不安が過ぎり、唯一の出口へと走る。置き去りにされた時の記憶が蘇り、取っ手を握る力が強くなった。だが。
「開けないで!」
声が聞こえ、手が止まった。振り向くと、痩せた体の少女がいた。
「外に出ると死んでしまうわ……!」
小さく儚いその声は、雨音に紛れながらも、はっきりと僕の耳を貫いた。
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