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いつもと違う考えが溢れ、止まらない。
ループしていた悪夢が、やっと続きを見せ始めた。そんな気分だ。
いや、思いの中でなら何度も復讐している。
しかし、所詮は妄想で、痛みは収まらなかった。再びトラウマに苦しみ、心で復讐してを繰り返すだけだった。
だが、今回こそ終わりに出来るだろう。本人が現れたのだから。これはもう、復讐を完遂しろと神が導いたとしか思えない。
だから、俺はやる。ずっと練っていた計画を、今こそ実行する。
その為には――。
「白石、凄いな」
「や、僕なんてまだまだですよ」
「俺なんか何年もいるのに駄目だからさ。来て早々ここまでやる白石は本当に凄いと思うよ」
白石の入社から数週間、俺達はよく話すようになった。頑張る姿に感銘を受け、自身も精進しようと決めた――と言う物語を織り上げ、近付いた。
もちろん、全部建前である。
白石は物覚えがよく、コミュニケーション能力も人一倍高い奴だった。恐らく、俺が普通の人生を歩んでいても、コイツには適わなかっただろう。
「僕、入江さんって怖い人かと思ってました。あまり良い評判聞いてなかったですし。でも、凄く良い人ですよね」
「いや、俺は捻くれ者だよ。でも白石見てたら少しは変わりたいと思えて来たかな」
「やっぱ良い人じゃないですか」
その能力の高さが、更に俺の復讐心を燃やした。苦悩の日々を送っている間に、のうのうと成功の道を歩んでいたと思うと、気が狂いそうだった。
「はは、また色々教えてくれよな」
「それ僕が言う事ですよ」
「仕事もだけど、プライベートの方も。そうだ、今度飲みに行かないか?」
「良いですね、行きましょ!」
だから、俺は敢えてコイツと友達になった。
理由はもちろん、復讐しかない。円滑に復讐する為、それだけだ。
「俺、友達と飲み行くの初めてなんだ。楽しみー」
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