CHOMA!

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CHOMA!

あぁ・・・つけずにいれるなんて、きみはいいのかい? でも、ぼくは、あ、ちょっと、まって、あぁっ、まって・・・!  昼間の蝉の大合唱、太陽の大主張。そんなものがなかったかのように、夜中は虫のオーケストラに控えめな風が心地よい。  僕たちは、地元の祭りが開催されている椿原公園にやってきていた。 この公園は、冬になると椿が咲き乱れ、地方からも観光客が訪れる少し名の知れた所だ。ただ、夏は特に観るものもなく、この祭りも屋台が20店ぐらいの小規模なために地元の人しか集まらない。  今、僕の隣にいる彼女は職場の後輩。正確にいえば、1年前ぐらいから僕が担当しているプロジェクトの派遣できている女の子だから、直属の後輩ではないのだけれど、歳も役職も僕より少し下だから、後輩だと思って優しく接しているつもり。  僕たちの職場はこの椿原公園を南に15分程度歩いたところにある。今日は仕事でトラブルが発生し、僕は残業するハメになったのだけれど、彼女が担当している部門でもあったから、一緒に残ってくれた。お礼に「ご飯でも」と誘ったら「じゃあお祭りに行きませんか」と返された。逆ナンされた気分。悪くない。     
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