初恋

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気付かれたことに恥ずかしくなって 俯いた 彼が振り返り 窓が閉められ こちらへ向かって来る気配がする 名前の書かれた上履きのゴム部分をじっと見つめながら 速まる鼓動をおさえる 彼の指が、落ちていた本に触れた なんて、綺麗な指をしているんだろう 本を指先で掬い上げる仕草が まるでスローモーションのように感じる ドキドキが耳の奥まで聞こえてきて 心臓が爆発してしまうんじゃないかと心配になる
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