0人が本棚に入れています
本棚に追加
学校のB棟206教室から見える景色は、
時々わたしを空想の世界へと導く。
なんと言う山だったか忘れたけれど、
遠目に見えるその山は美しいと思えた。
運動嫌いなわたしが、登ってみたいなどと
不覚にも思ってしまうような綺麗な山だ。
そして時々、昼間に見える月が
山の頂上付近に重なって見えることがある。
天気や時間帯など、幾つかの条件が
揃わないと見ることができないその景色は、
現実と空想世界の境目みたいで好きだ。
日常生活では意識することのない
山という自然と、月という天体。
自分の存在が小さいものに感じられて、
なんとなく安心してしまう気がする。
お前がいなくても世界は何も変わらないんだと…。
わたしは、そのことを実感できて嬉しかった。
最初のコメントを投稿しよう!