教科書を覗き込む距離

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 昼休み終了間際。  開けられた教室の扉を挟むように立っている二人の学生がいた。廊下側には弘くんが立ってて、教室側は……藤澤くんだ。  弘くんは藤澤くんに向かって頭を下げ、パコッと軽く叩かれて教科書を受け取っていた。 『ぁ…』  それ……現国の、教科書。  藤澤くん、自分の持ってたんだ。
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