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「…では、俺は離属するとしよう」
しかし突然、シキは笑みを浮かべた。
「―そんなことが、許されるとでも本当に思っているのか?」
「まさか! 痛手は負うだろうが…できないことはない」
シキが刀を構えたので、マカも剣を持ち直し、構える。
「それはムリだな。お前がアイツの方に行ってしまえば、こちらは深手を負う」
「俺がマノンに従う、あるいは喰われるとでも?」
「ありえんことじゃないだろう? そうなる前に、始末してくれるわっ!」
マカが一歩を踏み出した時、横から二つの影が飛び出した。
大きな黒い鎌を持ったカルマと、黒い拳銃を両手に持ったナオだった。
「ちっ…!」
シキは舌打ちをし、咄嗟に刀を地面に刺した。
ドンッ!
「うわっ!」
「きゃあっ!」
「くぅっ…!」
シキが『気』を込め、刺した地面が一瞬にして爆発した。
土埃を上げ、降りかかる土や石から、体を縮めて自身守る。
やがて土埃は消え去ったが…シキの姿まで消えてしまった。
「チッ! 逃げられたか」
マカは大きく抉れた地面を見て、忌々しげに舌打ちした。
そして剣を大きく横に振ると、剣は溶け、マカの右手の紋様になった。
黒き紋様は、そのまま手に溶けて消えた。
「げほっ…。すみません、マカ。お役に立てなくて…」
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