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「なあ」と俺が声を掛けた時、後輩はまだキャラクターを選んでいた。
いつもならば、女性ファイター一択なくせに、何を迷っていると言うのか。
「……なんですか」
「俺が勝ったらさ、肉まん買って来いよ」
「いやいや。さっきパシられたばっかりなんですけど……」
「返事はイエスだ。先輩命令」
「さいてー」と後輩は唇を尖らせた。そうして俺がポテチに視線を落とした瞬間に始まるバトル。随分と卑怯な手を使いやがる。速攻で打ち込んできた後輩の一撃を食らってしまったが、これくらい問題にはならない。反撃、反撃。よしっ。
「先輩」
「なに。話掛けんな。肉まんがかかってんだから」
「負けたら、なにしてくれるんですか」
「あー……そうだな。肉まん買って来てやる。俺のおごりだ、喜べ」
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