ロボットな同僚

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椅子に座り、彼はパソコンを立ち上げていた。 いまからさらに、仕事をするらしい。 彼が残業するなんて珍しかった。 要領よく仕事をこなし、たいてい定時には帰っていく。 しかも仕事は軽く人の倍はやっている。 そのうえ無表情なもんだから、ロボットじゃないかって疑っている私に罪はないはずだ。 「それ、あとどれくらいで終わりそう?」 「一時間くらい、ですかね」 「ふうん」 いやだから。 なぜ聞いた? 聞いといてふうんってなに? 毎回毎回、それにどう反応していいのかわかんないんですが。 私は彼と、全く意思の疎通ができない。 仕事上は支障がないので問題ないといえば問題ない……のか? とにかく、人に聞いといて自分はふうん、とかそういう答え。 さらには表情はロボット……いや、今日日のロボットの方が表情豊かだ。 あれとまともに意思疎通ができるのは、超能力者くらいしかいない。
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