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なぜか彼もパソコンの電源を切り、椅子から立ち上がった。
「え……」
「なにしてる。
さっさと帰るぞ」
入り口で、ついてこない私を不審に思い彼が振り返る。
いやいや、ひとりで帰りますって。
「ほら、早く」
くいっ、彼は眼鏡を押し上げた。
「はぁ……」
渋々、彼のあとに続く。
会社外は彼と別行動したい。
が、なぜか遅くまで残業した日、たいてい彼も残業していて駅まで一緒に歩く。
拒否したいけれど、彼がそうさせてくれない。
黙々と彼の後ろを歩く。
私なんかおいてさっさといけばいいのに、なぜか彼はゆっくり歩いた。
彼がなにをしたいかなんて、私には全くわからない。
「あっ……」
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