第1章

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「そろそろお昼時なので、近くの店でお昼にしません?席予約してるので是非ご一緒に行きましょう。」 母の絶妙な声かけで、お昼時の解散となった。 赤ちゃんは、お世話がまだ出来ない私の代わりに新生児室で預かりとなる。 彼がベビーベッドをナースステーションまで預けに行ってくれたので、 来てくれて彼の両親と、母にもお礼を告げると病室を出ていった。 一度部屋に戻った彼が、帰り際、 「明日また来るね。明日まで休みとってるから、俺だけ今日は泊まらせてもらう。」   「ありがとう。お寿司食べておいで。私もお腹減ったけど、がんばるよ。」 完全看護の総合病院のため、親族も泊まれないことになっている。 麻酔がなくなったら痛むと聞いているけれど、痛みは一人で乗り切るしかないのだ。 「朝早くから来てくれて疲れてるでしょうから、明日も身体休めてから来てくれたら大丈夫だからね。」 「うん、心配だな。辛かったら、これ押すんだよ。」 と言って最後はナースコールの位置を、ちゃんと手が届くか確認してくれてから病室を去っていった。
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