4章 愛想がないから合いそうにない

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 姉が以前に付き合っていた何人かの恋人たちは明るく、話も魅力的で、妹の私とも簡単に打ち解けることが出来た。私には二人は釣り合ってはいないと思えた。  姉にこの男は相応しくない。ただ、私の方が義理でも兄になるということが嫌だったのかもしれない。  二人の時は、ちゃんとした会話が出来るのだろうか。姉の目を見て話すことが出来るのだろうか。そんな疑問しか湧いてこなかった。  それでも帰る頃には、気が強い姉とありきたりな琢朗が合うのではないかと自分を必死に納得させていた。  数日後、姉は琢朗と婚約した。だけど、姉の希望は叶わなかった。あの事故が起きたからだ。 私の義兄になるはずの琢朗が運転する車での事故だった。琢朗のハンドルミスにより、対向車の大型トラックと正面衝突し、琢朗と助手席の姉は即死だった。琢朗の内気な性格からは、そんな事故が起きるとは想像付かなかった。  即死だったのに、とても綺麗な遺体だった。エアバックのおかげで、外傷はあまりみられなかったが、内臓の方は守れなかったらしい。       
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