4章 愛想がないから合いそうにない

4/4
前へ
/82ページ
次へ
 この状態が死んだなんてとても信じられなかった。「ご臨終です」と告げた医師に、どこがどうなって、死んだのか、何度も尋ねたぐらいだった。人間は、自分の想像を超える出来ごとが起きると、脳が処理出来ないのだと思った。突然のことで最初は受け入れることができなかったが、動かぬ姉の姿を見ると、受け入れずにはいられなかった。  何かの小説で、「死んでるみたいに、生きたくはない」というセリフが、あったが、姉はそれの逆で、「生きているみたいに、死んでいた」。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加