5章 姉の秘密の場所

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 姉が、私たちに内緒にしていたか、この女性が嘘を言っているかのどちらかだ。だけど、この女性の表情とそこから流れる涙を見ると、とても嘘をついているようには見えないし、そもそも嘘をつく必要がないと思う。 「お姉さんは希望の相手が見つかるまで、熱心にここへ足を運ばれたわ。きっと後悔のない結婚がしたかったんでしょうね」 「幼い頃から憧れが強かったんだと思います」  私は驚きを隠せないままそう添えて店を出た。    姉がここの客だったなんて信じられなかった。姉ほどの容姿を持っているなら結婚紹介所など必要ないはずだ。姉は何度ここに来たのだろうか。何故、私に嘘までついて琢朗と仕事で出会ったと言ったのだろう。夢見た結婚相手が琢朗だったのか。私の頭の中で疑問が渦巻いていた。
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