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「ねぇ、何お願いしたの?」
「……内緒」
彼女はそう言って僕に背を向けた。これって、後ろから抱きしめてってサインだよな。寒さで震えてるのか緊張で震えてるのかわからないが、確かに宙に浮いているってことだけは実感している。ゆっくり近づいて彼女を包もうとしたその瞬間。
「あのさっ」
突然振り返った彼女。その彼女を、はじめて真正面から抱きしめてしまった。
「あっ」
「ありがと。こうしてもらえますようにって言ったんだ」
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