独身同盟

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「俺とお前、独身同盟な」  微笑む彼にそう言われた時、私は心のなかになぜか生まれた安堵感をそっと抱きしめた。  あとひと月もしないうちにクリスマスが来るというのに、浮き足立つことなく普段通りに過ごしている彼がどうにも理解出来ない。私は今年も彼氏ができず一人ぼっちで過ごすのかとため息を漏らしているというのに。男子ってこういうのに盛り上がるものではないのか。それとも私が男っぽいだけだろうか。  幼なじみでもなんでもない彼と一緒に帰るようになったのは、たまたまバイトの場所が近かったからだった。当然方向が一緒だから一緒に帰るようにもなる。何でもないただの友達関係が崩れたのはいつだっただろう。運命的な出会いでも何でもなくって、徐々にほんの少しずつ構築されていった私の恋心。いつそれに気づいたかさえ覚えていない。
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