独身同盟

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 そして今日も彼は微笑みながらバイト先に消えていった。私のバイト先はそこから二軒ほど先のカフェで、二人の休憩時間が合えば裏道を通って会いにいけるような距離だ。世の遠距離恋愛継続者に申し訳ないような二人の距離。でも私にとってそれは地球の裏側に行くよりも遠い、飛行機に乗ってもロケットに乗っても行けないような遠い遠い距離なのだ。  バイト先までのほんの少しの距離を、ニヤけながら歩いて行く。ドクシンドウメイだって。それぞれ確かに独り身だけど、裏をかけば彼は絶対に誰ともくっつかないってこと。付き合えなくてもこれは大きい。独身同盟、か。悪くないね。  それから数時間。やっとバイトが終わり店を出ると、遠くの方にイルミネーションが見えた。クリスマスを意識しているのだろうか。ああいうの、人生で一度でもいいから男の人と観に行ってみたかった。小さい頃に父親と行ったことはあるが、それとはちょっと違う。
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