独身同盟

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 と、ちょうどいいタイミングで彼がバイト先から出てきたのが見えた。今日は珍しくお互い終わる時間がかぶったようだ。なんというベストタイミング。これを運命と言わずしてなにが運命だ。なんてちょっとナルシストぶってみる。私のキャラに似合わないけど、たまにはこんなテンションになってもいいよね。たまには。  急いで彼のもとまで行って、気付かれないように背後から近づく。同じ速さで後ろをついていき、そっと右手で肩をツンツンっとしてみる。すると彼はビクッと驚いて、慌てた表情で振り返った。首に巻いたマフラーがそのまま綺麗に弧を描いて、静かに彼の肩に落ちていく。私は無言で何秒か彼の表情を見つめて、そのあとイルミネーションを指さした。正直言うと見つめたのではなく、彼の驚いた時の 表情があまりにも間抜けで反応に困っただけだった。でも、彼も無言のまま指でOKを作ってくれた後からなんだか緊張しているみたいなので勘違いされたかもしれない。  イルミネーションの方に向かっていく足取りがお互いに速い。もっとゆっくりと話なんかするべきなのだろうが、そんな雰囲気は微塵も感じない。ただちょっと遠めな帰り道を進むといった感じだろうか。なんて無機質なんだろう。
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