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太陽の光の熱で雪は解けてしまって、僕の体はもうほとんど原型をとどめていない。
目線は物凄く下がって、あともう少しで地面を同じ高さになってしまう。
だけど――そう、これが雪の運命だ。
空から降っては解けて消えて。
消えては空に昇って、次の季節にまた降って。
その繰り返しが永遠と続くだけだ。
まるで呪いのような運命だけど、それが『雪』なのだから仕方ない。
仕方ないけど……一つだけ心残りがある。
それは、ゆーちゃんが元気かどうか、だ。
ゆーちゃんとはたった二日しか会っていないけど。
ほんの僅かな時間しか話したことはないけど。
それでもゆーちゃんは僕のことを“友達”と言ってくれた。
ゆーちゃんがそう言ってくれたように、僕も同じ様にゆーちゃんを友達だと思っている。
その友達が寒さに負けていないか、苦しんでいないかどうか――それが心配だ。
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