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友達との別れが嫌だから。
せっかくできた友達がこんなあっさりといなくなってしまうのが嫌だから、と。
雪のように純粋なゆーちゃんは僕との別れを拒んでいる。
……そう、僕だってゆーちゃんと別れたくない。
まだまだ話したいし、ゆーちゃんの笑顔が見たい。
ゆーちゃんの声が聴きたいし、ゆーちゃんともっと――
「……ゆーちゃんがおねつだしたから? ゆきちゃんのいうことをきかなかったから? だからゆきちゃんはおこってさよならしちゃうの……?」
――いいや、そうじゃないよ。
ただ、お別れの時間がやって来ただけさ。
「でも! せっかくともだちになれたのに……!」
涙を流して、鼻水を垂らして。
涎を流して、顔がぐしゃぐしゃに――まるで解けた僕の体みたいになっているゆーちゃん。
僕はゆーちゃんの嬉しそうな、楽しそうな顔が見たかっただけなのに。
それと逆のことになっているだなんて。
そんな顔は見たくない……だから。
僕は、ゆーちゃんに――“嘘”をつく。
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