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「でね、どうしようか? せっかくのゆきだもん、ゆきをつかったあそびがしたいもん。ゆきちゃんもそうおもうでしょ?」
――そう思うって言われても、僕にとって雪は珍しくもなんともないから。
別に雪に特別な感情を持つことはない。
「……ゆきちゃん、パパみたいなことをいうんだね」
――パパ?
「うん、ゆーちゃんのパパ! とってもものしりで、とってもあたまがいいの! えっと……パパは、ゆーちゃんみたいなこどもにおべんきょうをおしえているっていってた」
――なるほど、ゆーちゃんのパパは教師なんだね。
「きょうし? きょうしってなに?」
――教師って言うのはだね、ゆーちゃん――――……。
――――……
気が付けば、僕とゆーちゃんは周りが暗くなるまで話をしていた。
周りから見れば、ゆーちゃんが雪だるまに話しかけて、一人で会話している怖い光景だけど。
ゆーちゃんは僕の言葉がわかるみたいだし、なにより子供だ。
子供は不思議な力があるって言うけど、どうやらその“知識”は本当らしい。
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