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雪から出来ている僕は、過去に降っていた雪の集合体だ。
この広い世界で降った雪は、色々なことを溜め込んでいる。
それは知識――つまり、僕は物知りだ。
だから僕は、空が暗くなるまで何も知らないゆーちゃんに色々なことを教えていた。
でもゆーちゃんは途中から「むずかしくてわかんない」って顔をしかめたけど。
それはゆーちゃんが大きくなったらわかることだろうから、大丈夫だって言った。
「――そろそろかえらないとゆーちゃん、ママにおこられちゃう。もっとゆきちゃんとおはなししたいけど、ゆきちゃんをおうちにいれたいっていったら、ママはダメだって」
――だろうね。家の中に雪を入れたら家がびしょびしょになっちゃうし。
「びしょびしょ? おうち、ぬれちゃうの?」
――雪は元々水だからね。解けたら水になるし、大人は濡れるのが嫌なんだ。
「そうなんだ。ほんとにゆきちゃんはものしりだね!」
――そうだね。でもそろそろ家に戻らないと本当にママに怒られるよ?
「あ、ホントだ! じゃあゆきちゃん、またあしたね!」
――うん、また明日。
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