理音5

5/7
前へ
/91ページ
次へ
「須賀くん、はい。今回は痺れるわよ。人の感情を読むAIプログラム。脳の温度上昇と表情で、喜怒哀楽を読むって。センサーとプログラミングの結びつきも完璧」 咲絵さんの知的な表情にドキッとした。 真斗さんも受け取った英語の論文に目を通す。 「凄いなこれ、人の喜怒哀楽を読めたら、接待ロボットとして活用が広がるな」 わたしもその論文を見せて貰った。 読む事はできても、中身を理解できない。 センサーとプログラミング 科学の原点は生物で、人工知能は人の思考をプログラミングとして入力してできている。 AI開発の仕事をしたいと、この業種に就職した。 AIのプログラムは心理学的な観点も必要。 研究として興味深くて面白くて、多岐に広がる分野。 3人の会話の内容を、一言一句忘れないように脳に記憶する。 3時間ぐらい、議論をし、満足したのは、論文から思考が離れた。 須賀さんが異質だと言ってた理由がわかった。 AIやITについて興味があって、詳しくなりたいけど、家で恋人同士で、こんな会話を繰り広げ続けたくない。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

704人が本棚に入れています
本棚に追加