「いつか見た映画のヒロイン」(作詞)

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「いつか見た映画のヒロイン」(作詞)

「いつか見た映画のヒロイン」            夜汽杏奈 履き替えた少し高めのヒール ビル風が吹く通りを颯爽と歩いた いつか見た悲しい映画のヒロイン 揺れる赤いイヤリングを付けていた 真夏のジャズに酔いしれながら 懐かしい潮風を思い出す 誘惑という名のマンホールに 今夜も吸い込まれていくように 欲望のままに流されても  透明なあなたの優しさを思い出すだけ ※今宵恋して防波堤 いつか見た映画のヒロイン 捨て猫を抱いて雨に打たれ彷徨う 揺れる赤いイヤリングは小さな強がり 街灯の薄明かりにぼんやり浮かぶ 今でも忘れられないあなたの横顔 相変わらず無機質な日々に 一人海沿いのカフェでリルケを読んだ 私でいいと言ってくれる猫が現れた日 いつか見た映画の猫と同じ名前を付けた そばにいてほしい時にそばにいてくれた どれだけ雨が降り続いても 春風のリズムに戸惑いながら 懐かしい潮風に思いを馳せる 赤いキャンディを入れる為に買ったポーチ 揺れる赤いイヤリングは外せないまま それでも小さな子猫は私の光 捨て猫に恋して私の未来に夢を見る 明日は雨が止むかもしれないと まるでポロックのような絵を描いた 揺れる赤いイヤリングは外せないまま ※今宵恋して防波堤 いつか見た映画のヒロイン 土砂降りの中いつまでも寄り添う猫 揺れる赤いイヤリングは小さな強がり 彼女の傍を離れないラストシーン 今でも忘れられないあなたの涙 小さな瞳に救われた私の命
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