私はブルー

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『あんたもピンクが似合ってるね。』 花に向かって呟いた そんな色の服 着たこともなければ 口紅もマニキュアも 選んだことがない 憧れたけど その華やかさが ずっと苦手だったピンク色 あの日もあの娘は ピンク色のセーターにミニスカート 持ってきた小さなバックも サマンサタバサの優しいピンク色で ロングの柔らかな髪が 春風に揺れてて可愛かったんだ 黒髪ショートの私は シャツとジーンズに 靴は白のコンバースで 無印の斜めかけリュックはブルー もちろん男子は ピンクのサマンサ狙い 取り囲む ツバメのフン御一行の最後尾 「なんでいつも、あいつと一緒なの?」 はぁ? 振り返ったら ピンクのサマンサが片思いしてる 男子だった 彼って いつも私の事みてるのに 何で告白してこないんだろうって 言ってたな 「幼なじみだから。」 心臓が脈打った 御一行の中に いなかったんだね やばい 慌ててみんなの流れを 追いかけようとした 「卒業旅行、怠くない?」 え? 振り返ったら 手を引っ張られて 反対方向に走ってた なんで なんで なんで 意味わかんないけど楽しい ドキドキが止まらない 私の歴史上このパターンは初!物心ついた頃から ピンクのサマンサの 当て馬役の黒歴史 告白されると思いきや ラブレター渡してくれって     
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