ブルーバードは振り向かない

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「なぁ、お前ら夢について語れるか?」  俺の唐突な質問に二人とも少し困っているように見えた。 「夢の話をしてほしいのかい?」  流星が言った。俺は真剣に頷いた。 「じゃあ、僕から話そう」  そう切り出して流星は話し始めた。 「あれは、僕が中学生の時だったかな。苺を育ててるビニールハウスの中にいたんだ。真っ赤な苺がたくさんなっててね。それを見て感動したなぁ。そしたら、農家の人に見つかって泥棒だって勘違いされてしまったんだ。僕は懸命に逃げた。ところが、逃げている途中で急に地面が抜けて。その瞬間、目が覚めた」  一瞬意味がわからなかった。だが、すぐ気づいた。 「それは寝てる時にみる夢の方じゃねぇか!」  俺は流星の後頭部を叩いた。 「違うの?」  流星は不思議そうに言った。 「語るって言ったらそっちじゃねぇだろ!」 「ごめん」  流星はからかっているとも言える表情を俺に向けていた。どうやら最初からわかっていたようだ。 「はぁーい! じゃあ俺も!」  大貴がちぎれんばかりに手を挙げていた。俺は忠告の意味で大貴を睨みつけた。大貴はニヤニヤしながら話し始めた。     
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