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三年生になって、男バスも女バスも県大会の早い段階で敗退し、夏を待たずに引退していた。
詩音は身長190近くあるし、私も168と、普通の女の子にしてみたら少し高い方だ。
因みにママは150あるかないかの小柄な人なので、背が高いのは…どっちに似たのかは、言わずもがななんだけど。
その詩音と、おとといの土曜日はデートだった。といってもおとといは駅で待ち合わせてショッピングモールの中の映画館に行って、その後ショッピングモールの中をウロウロして帰ってきただけの、至って健全なデートだった。
なんで歌恋たちがデートのことを知っているかというと、その日歌恋に遊びに誘われたのを断ったから。
まあ正直にデートだと言う必要はなかったとは、反省している。
「ん?デート? 何にもなかったよ。映画観てショップ行って、おしまいだったし」
「えーっマジで?。詩音くん的には、それでいいの?高三の精力有り余ってる男の子が、そんなデートで満足できるの?
あんたも処女じゃあるまいし、何のんきなことやってんの?」
「詩音くん、ライバル多そうだしね。
ウカウカしてると誰かに横取りされるかもよ。
あ、その前に詩音くんに愛想尽かされるかもね」
けしかける歌恋に同調するように、美香も面白がって囃し立てる。
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