Alice in Blue

アリスと詩音（過去編）

私らのバスケ部やサッカー部はボールをドリブルしながらというハンデがあるし、バドミントン部や卓球部は、ラケットの上で球や羽を突きながら走るという難易度の高さ。
極め付けは柔道部で、畳を背負って走り、走者交代の時に、その畳の上で受け身を取るというパフォーマンスが義務付けられている。

そして何故か体育会系の部活に混じって、文化系の部活から化学部だけは、毎年エントリーしている。全員が白衣着て、フラスコをバトンにして走るんだけど、意外と侮れない。
噂では、このためだけに足の速い子を幽霊部員として囲っているとの話だ。

そんなこんなで始まった部活対抗リレー。
我が女子バスケ部は、ガチで走り優勝…は、やっぱり無理だけど、ガチ部門で、陸上部に次いで、なんと二位に入った。

男子バスケ部もガチ部門で三位に入り、まるで優勝したかのような大騒ぎ。
うちの高校のバスケ部は男女とも劇弱で、ほとんど公式戦で勝ったことないので、こんなことくらいしか喜ぶことがないというのは内緒だけど。
私も、とりあえずコケたりボールを蹴っ飛ばしたりするような恥をかかなくて済んだことで、ホッとしていた。
もちろんバトンがわりのボールを受け取ってから渡すまで、順位を下げることもなかった。