Alice in Blue

アリスと詩音（過去編）

色々あった学園祭も、クラスごとの打ち上げも終わり、いよいよ、歌恋からのミッションを果たすための詩音とのデートの日になった。
私が考えたそのデートプラン。アイデアはたくさん出たけど結局まとまらず、最終的には、あまり遠出も冒険もしないという、無難な選択に落ち着いていた。

電車でアウトレットモールに行ってショッピングと食事をして…。
多分この辺りに住んでいる女子高生なら、普通によく行く場所。男子とのデートとしても、大抵一度や二度は行ってるはずの定番デートコース。
実は私も、詩音と行くのは二度目だ。
これ以外なら、あとは水族館か、動物園に行くくらいかな。
決して考えるのがめんどくさかった訳じゃない。時間に余裕のないデートプランで、最終目的のミッション遂行の時間が無くなったりするのが嫌だっただけ。

新鮮味のないデートプランだけど、楽しかったからいいや。
前から欲しかった新しいスニーカーも買えたし。

でも、今日のデートは、買い物して終わりではない。
歌恋から与えられたミッションを果たさなければならないのだ。
私は電車を降りると、兼ねてから考えていた通り、詩音の手を引き、港の見える高台の公園を目指した。
詩音も、何も言わずについて来てくれる。