アリスと、アリサ

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そう言って私は言葉を区切った。 美香はそこでこの話題は終わったのだと思ったらしく、それ以上聞くことはなく、新たに登校してきた友達も加わって、話題は昨日の夜のテレビ番組に移っていた。 本当は、美香に言おうかどうしようか迷っていることが、一つあった。 実は、昨日の“お父さん”との面会の帰り際。 私は初めて“お父さん”と電話番号を交換した。 それも、私の方からの提案で。 最初は今まで通りおばあちゃん経由で連絡取れるからと、電話番号を伝えるのを遠回しに拒否していた“お父さん”も、最後には折れて教えてくれた。 多分ママの気持ちと、会社の先輩で実力者の一人となったおとーさんの機嫌を損ねるのを、気にしていたんだと思う。 私としてみたら、高校卒業してからは、会うか会わないかの判断は私に委ねられるんだったら、おばあちゃん経由での電話で家がギクシャクしないように、“お父さん”と直接やりとりがしたかっただけなんだけどな。 もちろん、卒業後も“お父さん”に会い続けるかどうかはまだ決めてない。 でも、そうは言っても、実の父だ。 このまま関係が切れてしまうのも、なんだか寂しい。 だけど、ママやおとーさんの気持ちを考えるとなぁ…。     
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