714人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
「……耐えたご褒美に、キスしてあげますよ…」
顎を持ち上げ唇を重ねて、舌先で口内をねぶると、
「……ん…」
まだピアッシングが済んで間もないそこに軽く触れた。
「……いっ!」
声を上げ股を押さえるのを、
「……痛いですか?」
聞くと、「……ん…痛…い…」泣きそうな顔で頷くのに、
「……でも、その顔…すごくそそるんで…」
店員の目も構わずに再び濃厚なキスを交わして、
「……もっと、責めたくなりますから…」
耳へ囁きかけると、
「……やぁ……」
と、色気のある声を上げた。
「……じゃあ帰りましょうか? 帰って、ゆっくりと見せてもらいますので」
と、痛そうにまだそこを押さえたままの彼を立たせたーー。
ーー店を出て、痛みに俺にしなだれかかるようにしか歩けないのを支えつつ、
「……そのピアスは、馴染むまでしばらくかかりますんで。数ヶ月ぐらいは痛みが続くかもしれないですが、我慢できますね?」
含むようにも言うと、
「……うん……」とだけ、頷いた。
「……ちょっとこっちへ、」
人気のあまりない建物の裏手に手を引いて、
「……そんな顔でずっといられたら、もっとキスがしたくてしょうがなくなる……」
唇を啄んで、舌を巻き付けると深く絡め合った。
「…んぅ…下が、痛い…」
ピアスを刺した先が兆してきているのか、腰が後ろに引けるのを、
「……少しは我慢しないと、これからキスもできませんよ」
と、逃げられないように尻をぐっと抱えた……。
最初のコメントを投稿しよう!