2/8
716人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
……週末に彼を連れ出して、話していたボディピアスの店に行った。 「どれが、いいですか?」 と、ショーケースに並ぶのを見せると、 「……どれでも…」 自分が付けているのを想像したのか痛そうに顔を歪ませて、ピアスから視線を外した。 「じゃあ、俺が選ばせてもらいますね…」 彼のこういう顔が見られるだけでも、楽しみが増えたような気がしていた。 この人は怯えさせればさせる程、官能も高まる……そう考えると、抱きたい欲情もさらに増えそうに思えた。 選んだピアスを店で付けてもらうよう頼んで、気が進まないらしい背を押し出した。 店の奥にある施術用のスペースへ、こちらをやや恨めしげに振り返りながら入ると、 「……ふっ! ああ…うっ!!」 しばらくして嵌める穴を開けられた痛みに、耐えられない声を上げるのが聴こえて、 その痛みを堪える姿を想像すると、それだけで下半身が過剰に反応しそうにも感じた。 ……やがて開け終わって、店の裏手から出て来ると、 待ち合いの長イスに座っていた俺の傍らに凭れ掛かって、 「……痛…かった……」 と、涙目で見上げた。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!