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……週末に彼を連れ出して、話していたボディピアスの店に行った。
「どれが、いいですか?」
と、ショーケースに並ぶのを見せると、
「……どれでも…」
自分が付けているのを想像したのか痛そうに顔を歪ませて、ピアスから視線を外した。
「じゃあ、俺が選ばせてもらいますね…」
彼のこういう顔が見られるだけでも、楽しみが増えたような気がしていた。
この人は怯えさせればさせる程、官能も高まる……そう考えると、抱きたい欲情もさらに増えそうに思えた。
選んだピアスを店で付けてもらうよう頼んで、気が進まないらしい背を押し出した。
店の奥にある施術用のスペースへ、こちらをやや恨めしげに振り返りながら入ると、
「……ふっ! ああ…うっ!!」
しばらくして嵌める穴を開けられた痛みに、耐えられない声を上げるのが聴こえて、
その痛みを堪える姿を想像すると、それだけで下半身が過剰に反応しそうにも感じた。
……やがて開け終わって、店の裏手から出て来ると、
待ち合いの長イスに座っていた俺の傍らに凭れ掛かって、
「……痛…かった……」
と、涙目で見上げた。
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