エピローグ

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エピローグ

ED(永久発狂者は目覚めない) 目覚めた場所は病院だった。 部屋には朝日が差し込み、周囲のベッドには探索者が同様に起き上がっており、困惑した顔をしている。 扉が開き、起き上がっている探索者たちを見た白衣を着た男性が驚いたように声を掛けてきた。 「良かった、目覚めたんですね」 歩けるようなら診察室まで、と先導された先で説明されたのは、数日行方不明になっていた君たち探索者が、この町の路地で倒れていたことだった。 発見は昨日の明朝、丸一日経って目覚めたとのこと。 身体にはどこにも異常は無く、ただ眠ったように意識を失っていたこと。 見つけた時期は違えど、他にも何名か同じような症状の者がいることだった。 精密検査を受けて退院したのが3日後。 あの体験は確かに記憶に残っている。 しかし誰が、何のために、そんな謎が残ってはいるがもはや知る術は無い、 探索者はそれぞれの生活に戻り、次第にあの凄惨な体験の記憶も薄れていくことだろう。 この3日で少なからず仲良くなったほかの探索者に別れを告げ、病院から自宅へと向かうのだった。 (永久発狂者がいる場合) ふと何となく目を向けた視線の先には、自分たちが目覚めた病室。 結局あの人は目覚めなかった。 見知らぬ他人だったその人に、声も出さず別れを告げた時、ふわりと揺れたカーテン、その影にあの異形が重なった。 あの人の声かは分からない。 だが、あの病室から奇妙な叫び声が聞こえた気がした。
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