02 猫目線による奇想天外な生活の始まり

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 マクドナルドに入った俺たちは、カウンターで飲み物を注文する。  俺はメロンソーダで、遠藤はホットコーヒーだった。しかもブラック。  なんなんだよ大人ぶりやがって!  やっぱりこいつとは合わないなあと思いながら、平日の午前中で空いている店内の二階に上がる。向かいあって座ると緊張してきた。 「……そういや、遠藤とこうやって話すの初めてだな」 「そうだな。お互い友人関係ではなかったしな」  隣のクラスの遠藤は勝手に俺が天敵だと思ってただけで、特に話したり遊んだりしたことは無かった。たまに視線があうと、氷のような目で睨まれていた思い出しかない。  睨まれた件について聞くと遠藤は言った。 「悪い。君のことが気になって見てたんだ。校内で猫族なのは僕と君だけだから。睨んでるように見えたかもしれないが、それは単に僕の目つきが悪いだけだ」  どうやら注目されていただけらしい。  ふっ。俺って罪な男だぜ。
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