02 猫目線による奇想天外な生活の始まり

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02 猫目線による奇想天外な生活の始まり

 猫になった時から、身体の調子がおかしい。  熱いものが食べられない猫舌になるし。  空気の匂いを強く感じたり、物音が大きく聞こえたり。  むちゃくちゃ眠くなって、いつも夜明けまでしているオンラインゲームをせずに、布団の中で爆睡してしまった。朝も眠くてすげえ起きづらい。  寝ぼけてた俺は、朝ご飯を食べるとき、自分が猫舌になったことも忘れてうっかり熱いコーヒーを飲んでしまった。 「あっちー!」 「何やってんのお兄ちゃん」  妹に変な目で見られてしまった。  そんなこんなで、いつもより遅い時間に学校に登校することになったのだが。  通学路の風景がなんだか今までと違って見える。  緑が鮮やかだし、鳩や雀が気になるし。  ん? なんか時代錯誤な赤いスカートを履いたおかっぱの女の子が交差点に立ってるぞ。あんな娘、今まで見たことあったっけ。 『うーらーめーしーやーー!!』 「ウギャア!!」  おかっぱの女の子は俺を見ると、顔の半分まで広がった口角を吊り上げてニヤニヤ笑った。  その口元と胸元から血がドバッとしたたる。  赤いスカートだと思ったけど実は流血の赤だったらしい。  朝っぱらからホラーでグロテスクなシーンを目撃した俺は思わず絶叫した。
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