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無邪気なる侵略者
A「すごいわ! こんなに資源が豊富で栄えている星、初めてよ。ねぇ見て、この食べ物。ふわふわでジューシーで美味しい!」
B「……確かに美味そうだが、歩きながら食べるのは品性に欠けるぞ」
A「ふふん、周りを見なさい。みんなそうしているわ」
B「……否定はしないが」
A「周囲に溶け込むのも、作戦行動のうちよ。……ああ、それにしても素晴らしいわ。こんな素敵なところが私達のものになるなんて、夢みたい……!」
B「こら、不用意な発言は控えろ。原住民に警戒されたらどうする」
A「大丈夫。そのためにお互い、こうやって子どもの素体まで用意したんだから。もし会話が聞こえたとしても、ごっこ遊びにしか思われないわ。あなたもせいぜい、見た目だけでも無邪気な子どもを演じることね」
B「それにしたって、気が早い。僕達はあくまで調査隊だぞ。僕達が持ち帰った情報をどうするかは、母星の本隊次第だ」
A「ええ、そうよ。だから、私達はより多くの情報を持ち帰らねばならない。……というわけで、次の未知なる食べ物を探しに行くわよ!」
B「……目的を見失わない程度にな」
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